「これ、お前宛やないか?」



“プレゼントは気に入って貰えただろうか。あの下着を着けた君を見たい。いつでも君を見守ってるよ”



「…………」



無言で手紙を受け取るも、読んですぐに手紙をクシャクシャに丸めた。

それでも気が済まなく、適当に開いて小さく破り捨てた。



「つけられてた自覚はないんか」



「ないわけじゃない……。でも、もう……わからない」



どんな視線も、怪しく思える。

偶然に横断歩道を渡ってた人と目が合っただけでも疑ってしまう。



「もしもし……」



『磯村だけど。急に電話がなくなってさ、気になって。つけられたりしなかったか?』



上着のポケットで震えた携帯。

磯村さんからの着信ですぐに出ると、そんな内容だった。

私は一応、報告だけして電話を切った。



「「…………?」」



妙に視線を感じた父親と私。

父親は庭に続くリビングの大きな窓ではなく、同じ並びにあるダイニングの出窓を見に行く。

レースカーテンが下げられただけの出窓。

何もなかったのかすぐに戻って来たけど、私はソファーの配置を変えて、窓の前に腰を下ろした。

ここならカーテンが締まってるし、出窓からは死角になってる。



「はぁ……。誰やねんな……」



父親に訊いたところでわかる筈もないし、自宅と携帯の番号がバレてないだけましなのかな。