校門を抜け、見慣れた風景を眺めながら歩く。


学校を出るときに聞いたところによると、私の家は奴の家に着くまでの道にあるらしい。


だから帰り道はいつもと同じ。


違うのは左側に奴がいることだけ。


「…………」


雨が傘を叩く音だけが響く。


学校を出てから私たちは一つも言葉を発していなかった。


元々口数が多いわけではない二人だから、こうなるのは必然だけれども。