「ねぇ。この飴、どこのやつなの?」 また食べたい、そう思った私は奴に尋ねた。 すると、奴は私に傘を持たせ、エナメルバックからその飴の袋を取り出し、私に見せた。 ふーん、あのメーカーのやつなのか。 どうりで美味しいと思った。 「てか、これ空になってるし」 傘を受けとった奴が呟く。 確かに、その袋はぺたんこになっていて、中には何も入っていないように見えた。