俺は就寝前の時間に翻訳版の経典を読み込んでいた。

旧約は、奇想天外な伝説物語で、なかなかおもしろい。
キリストが出現してからの新約の、
福音の部分はキリストの伝記として、まあ読める。

しかしそれ以降の、手紙と黙示録。
これが全くわからない。

剛力からもらった経典の、後半部分が前半にくらべ傷んでいなくて、
あまり読まれた形跡がないのも、
この本の以前の所有者たちがここで挫折したことを物語っている。

これは独学ではとても進めていけそうにない。

(トラビスがいいよ!トラビスに教えてもらお!)

(qはトラビス好きなのか?)

(トラビスは好きだよ。やさしいし、きれいだもの。)

(トラビスはここの連中の中じゃ、一番まともだよな。
よし。トラビスに教授をたのもう。)