翌日の合唱の時間。
昨日の特連のおかげでなんとかついていくことはできた。
合唱曲が終わったとき、チカラが叫んだ。

「博士くん!!」

みながいっせいにソプラノの集団に目を向ける。
博士は緊張した。

「今日、君の声はとてもよく通っていたよ!よかったよ!」

チカラは両手の親指を立てて賞賛した。

博士はふーっと息を吐いた。
緊張がとけたようだ。

博士は俺を見とめると、少しほほえんだ。
こいつ、笑うと少しはかわいいんだな。

「ミゲーレ君!!」

ふいをつかれた。

「もう少し、発声練習、がんばっていこうな!」

周囲から笑いがもれた。