「そうだ。」

「話もできるの?」

「できるよ。いつも話してるよ。何か決めるときは必ず話し合う。」

「死んじゃった人間と、一緒になんかいられるのかよ!」

「いられるよ。」

「じゃあ、僕とも会話できる?」

「そいつは無理だな。」

「やっぱり、でたらめだ!」

「俺と二人きりのときじゃないと、そいつは現れないんだ。」

博士は唇を噛んだ。

「僕が子供だからって、でたらめを言うなよ。」

「俺がいつあんたを子供扱いした?
あんたはたしかに、俺より17歳も年下だけど、それでもここでは先輩だ。
だから俺は、はっきりとヘブライ語は自分には必要ないと伝えたんだ。
あんたが一人前の修道士だからだ。」

博士は少しの驚きと、そして感動をもったようだった。
それから、ぽつりと言った。

「あんたの言ったこと、少し考えてみるよ。」

博士のこの返事は少し意外な気がした。