それから
又三郎の家で交接した。

ほとんど俺の亀頭に
唇をつけたまま
又三郎が
ためいきのように言った。

「かわいいね。
ミゲーレのは。

かわいいね。」

そしてまた
口にくわえ込み
いとおしそうに
むしゃぶりつく。

上下する又三郎の頭を
押さえた。

俺が射精する寸前で
又三郎は口から
摩羅を抜き出した。

肛門への挿入を
欲しているのだ。

又三郎は油の小瓶を
いつも携帯していた。

俺は油を垂らしながら
言った。

「尻の穴に入れられて
おまえは気持ちいいのか?
痛いだろう?」

又三郎は唇を
わずかに開いて言った。

「僕の体に
ミゲーレを招き入れたい。」

俺は又三郎の希望通りにした。



すべて終わったあと、
俺は又三郎が
マリアにもらった
スノードームを眺めた。

それは窓辺に飾ってあった。
俺は手に取り、
ひっくり返して
ノートルダム大聖堂に
雪を降らせた。

赤いステンドグラスを
かざしてみると、以前、
興行でルテキアに
行った時に見た、
この大聖堂のバラ窓を
思い出した。

そのとき、
曼荼羅そっくりだと思った。

上のほうにあったので
細かい図柄までは
わからなかったが
無数の円が
放射状に拡がっていた。

又三郎も俺の肩に
頭を寄せ、
一緒にスノードームを
眺めた。

しばしそんな時を
過ごした後
又三郎が言った。

「明日は全体礼拝だね。
もう寝なくちゃ。」

「そうだな。」

「朝の礼拝の日は、
その後厨房で
眠くってしょうがないんだ。」

俺たちは宿舎に戻った。


自分の部屋に戻ると
トラビスのベッドが
空だった。

これはまた、あいつ、
何かやらかすのでは?

ちゃんと礼拝に
出てくるだろうか?