驚きで顔がポカンとなる。
えっ!?
今なんて!?
俺、プロポーズされたよ!?
「わ、私ね、一人なの。この家広いでしょ?だから寂しいし・・・」
「待て、俺は男だぞ?」
「知ってる」
「助けてもらったのは感謝してるさ。
 何か頼みごとなら聞いてやらないでもないが、
 一緒に住めっていうのは・・・」
「今まで何も食べてなかったでしょ?
 栄養失調中だから、一週間!!
 一週間だけでいいから!!」
「でもなぁ・・・
 知らない男の人を家に入れてはいけませんってお母さんから言われてないのか?」
こいつ小学生っぽいしなぁ・・・
しかし帰ってきたのは本当に意外な答えだった。
聞かなきゃよかったとさえ思う。

「お母さんって何?」
「えっ!?・・・」
「私、一人って言ったよね?
 だから私にはお父さんもお母さんもいないよ?」
「どーゆう・・・」意味だと言いたかったが俺の言葉に被さるように、
「私が生まれてるってことは居るんだろうね。ずっと会ってないから今は顔も分からないけ  ど。
 私の小さい頃の写真にいっぱい写ってる。
 名前も知ってる。
 でもね、私は一人なの。
 ずっと、私は一人なの 」と言ってきた。
「って言ってもなぁ・・・」
「行くところがあるの?」
ちょっとしょんぼりしたように言うので、
「無いけど・・・」
と言っておいた。
「お願い」
必殺上目使いがキマる。
こいつ、よくみると可愛いな。
って、よくみると・・・
「お前、目!!髪!!」
「ひっ!!」
俺が目を丸くして言うとアイツは今にも泣きそうな顔になった。