俺は一匹オオカミ。


に憧れて、
になりたくて、
この世界に自ら足を踏み入れた。
そう望んだんだ。
自分は無敵になった気がして、
   なんでもできる気がして。

本能のまま生きるのは楽しかった。
好きに生きるのは楽だった。
ムカついたらとことん殴った。
殴ることに対してなんとも思わなかったわけじゃない。
最初は。
気に入らなければ誰にだって喧嘩をふっかけた。
だからもうそんなこと慣れた。
やってみると意外と勝てた。
だからちょっといい気になった。
沢山喧嘩を売った。
全部勝った。
そのうち喧嘩を売られるようにもなった。
全部勝った。
何校も潰した。
何人相手でも怖いと思わなかった。
だから勝った。
負けなしだった。

そのうち女が寄って来た。
何人もとりまきを連れて歩いた。
数えきれないほどの女と寝た。
どれだけヤってもいいと感じなかった。
それだけかわいこぶった声と顔で
「いいよ」
とか言われたって何も思わなかった。
そんな暮らしをしていた俺は、