「見ないで、見ない「綺麗だな!!」・・・え!?」
見ないでと言いながら隠していた目と髪から手を外す。
出てきたのは困った顔。
褒めたつもりなんだけどなーw
「そんな綺麗な銀髪も緑眼も見たこと無いぞ!!」
俺は数々の銀髪を見てきたが、
どれもただ脱色されただけの痛々しい髪だったがコイツのは違う。
ツヤがあって緩くウェーブのかかった美しい銀髪だ。
黒や茶色以外の目を見た事は無かったが、
明らかにカラコンのような気持ち悪い色をしていない。
「なんか・・・どうしていいか分からない」
「なんで?」
「気持ち悪いと思わないの?
 だってこれ地毛だよ?カラコンとかじゃないよ?
 私、普通に日本人だし」
「全然。普通にいいじゃん。
 何回でも言うが、綺麗だぞ?」
そこで初めて嬉しそうな顔をした。
「どうしよう!こんなこと言われたの初めてだ!
 どうしたらいいのかな?」
「どうしたらって・・・笑って喜べば?」
「そっか。・・・そうだよね!!」
そう言って、桜みたいに笑った。
普通向日葵って云うんだろうけど、
例えるなら桜。
冬に咲いた、狂い咲きの桜。
真っ白で、儚くて。
つかんだら消えてしまいそうな雪の桜。
「何年ぶりにこんなに嬉しいかなー。
 褒められたのなんて初めてな気がする!!」
嬉しそうに笑うアイツを見て俺はすこし悲しくなった。
お前は何を知って今まで生きてきたんだ・・・
無邪気に笑うコイツに何があったんだ・・・
コイツは少し変わっている。
普通の人とズレている部分がかなり多い。
だからこそ俺を助けてくれたのかもしれない。
そんなことを思いながらもともとついていたテレビを何気なく見る。
普通のバラエティ番組。
気になったのは番組ではなく、日にち。

1月18日(火)

火曜日?
平日だ。
次にテレビの右下に表示されている時計を見る。

11時36分

真昼間じゃねーか。
こいつ・・・学校は?
俺のように荒れているようには見えない。
「なぁ、お前学校は?」

「え?行ってないよ」