律side



ホントは手を離したくなかった。
紫苑も不安あるだろうけど、俺も結構不安あんだよ。



「頑張ってね!」

「ちゃんと帰って着てね?」

「頑張るよ」

「…紫苑…」

「プラスに考えるから。だから、律もプラスに考えて?」

「ああ」

「…行ってきます」

「「「行ってらっしゃい」」」



あいつは、人前じゃ笑わない奴だったけど、少しだけ笑って姿を消した。
…いつの間にか、ちゃんと笑えるようになってんじゃんか。
でももっとちゃんと笑えよ。

手術時間は一応、2時間弱って言ってた。
ま、一応待つことにする。
紫苑がちゃんと帰ってくるまで。


…―


―2時間後



手術は無事終了。
俺達も安心してた。

病室で一人、紫苑の頭を撫でる俺。
あの二人は、用事があるから帰った。



「ん…」

「紫苑」

「律…?…律!!」

「うん。生きてるじゃん」

「よかったぁ」



めちゃめちゃ安心してる俺と紫苑。
そりゃそーだよ。
無事なんだから。



「退院したら、デート行こーな」

「森に行く」

「ああ」



紫苑とまた何度か、森や他んとこにデート行く。
コイツが生きてるあいだわな!