明後日。
私が寝てる病室に、うるさく入って来た、あの三人。
眠いのに…あいつら…私を起こした…。
寝起きの悪い私は、三人を睨み付け、二度寝し始めた。
手術の時間は1時だし、まだ4時間も寝られる。



「紫苑起きろよ。二人出て行ったから」

「…寝かせて…」

「じゃ、一緒に寝ようかな〜」

「…やだ…」

「嘘だよ。ビックリした?」

「ううん」



ベットの片隅に座り、私の頭を撫でる律。
…なんか懐かしい感じする。
手を握る律に、目やデコ、頬、口にキスを落とされる。

…もしこの病気が死に直面するもので手術しても治らないなら、私は律の手を握ったまま死にたいな。
律に撫でられながら、声を聞きながら、手を握られながら、満足して死にたいよ。



「律…」

「手術が怖い?」

「死んだらどうしよって」

「マイナスに考えんなよ。お前の悪いとこ」

「…」

「大丈夫だ、簡単に死なねぇよ。俺が助けた命だぜ?」

「うん」



確かに律に助けられたこの命を、簡単に捨てられない。
根性で生きなきゃいけないんだ。
…こんなことでマイナスにまだなるな。
まだ、可能性があるじゃん。


伊織達が戻って来て、なんやかんや雑談などしていたら、もう4時間経っていた。
気の進まないまま、私達は病室を出た。