律side



天海から電話があった。
紫苑が倒れたと。
俺は急いで病院に向かった。

―ガラッ

「天海!」

「成瀬君…」

「何があったんだ」

「紫苑…病気なんだって。でも、すぐに手術すれば治るんだって」

「紫苑はどうなの?」

「治るなら受けるって」

「…そっか…」



紫苑…。
病気なんて気づかなかった。
…恋人なのに…一緒にいたのに。



「最近、学校で倒れるようになってたんだ。紫苑はただの立ちくらみだからって、病院に行かなかったんだ」

「今日見たら、最悪なぎりぎりラインなんだろ?」

「うん」



最悪過ぎるよ…。
紫苑はなんで、そんな大事なこと言わなかったんだよ。
なんか力になれたかもしれねぇじゃん!