「紫苑の苦しみに気づいてやれてなかったこと」



俺が気づかなかったせいで、紫苑は命を絶とうとした。
それが一番の後悔。
近くにいたのに、その心の傷に気づかなかったから。



「一度、死のうとしたんでしょ?」

「知ってたんだな」

「紫苑から聞いた。律に助けられたから、私はここにいるんだって言ってた」

「俺が話したこと、宮古先輩には重荷だったかもしれないですね」

「多分、また抱え込むかもな」

「3人で責任持って、支えるしかないよ」

「俺、弟として頑張ります!」

「律。成瀬先輩はやめろよ?」

「錫也。特別に下で呼んでいい」

「はい!律先輩、錫也先輩!」



紫苑が苦しむ痛みは、俺達も一緒に伴う。
あいつが一人で抱え込まないように、俺達が支えてやるんだ。
俺達の力で。