帰り道。
俺、天海、伊織は一緒に帰っていた。

伊織は自分にも否があると言った。
自分が生まれたせいで、紫苑を家から追い出されてしまったと。



「俺も生まれて来て損した」



天海は空を見上げて言った。
真実を知ったとき、罪悪感を感じた。
最初は、紫苑がいるのがいけないと思ったらしい。
でも、自分は不倫して生まれた子供だと思ったら、生まれてこなかった方がましだったと。



「隠し子として生まれた僕は、もし存在がばれたら、その家族を壊すことになるから。だったら存在しない方を選びたかったなぁ」

「不倫してたの何時だよ?」

「母が生きてた頃ですかね…不倫相手は、高校のときの彼女とか」

「ちょうどだな…同い年になるな」

「成瀬先輩は、後悔とか何かあったんですか?」



素朴な疑問と言い、俺に聞いてきた。
俺の後悔…。
そんなのいっぱいあるが一番は…。