沈黙が続く。
質問に答えられずにいた。
律の顔が怖くなる。

ふと頭を言葉が過ぎった。
院長に言われた言葉が。

“少しは素直になれ”

素直…に…。
素直か…。



「律、私は…律といたい…!」



咄嗟に出た言葉。
律はぽかんっとしている。
なんだろうか…素直に言うと…スッキリする…。



「律、人の話し聞いて」



―ガバ



「やったぜ!!」

「り、律!苦しい…っ」



律に勢いよく抱き着かれた。
力が入ってて、めちゃくちゃ痛いし、苦しい……。



「素直に言ってくれた!それに、俺から離れないんだな!」

「律…痛いんだけど」

「ゴメン、でも嬉しくてさ」

「律といた方が楽しい」

「あー元気出たーっ」

「…錫也には何とか言う」

「ああ、頑張れよ」




いつもの律なら、着いて行くだの言う筈なのに、何も言わない。
どうしてだ?