紫苑…。
紫苑からの手紙…。
紫苑、紫苑…っ。
今すぐお前に会いたい。
会って抱きしめたい。
未練を捨てろって、お前まで言うのかよ…。
もう、なんか、涙が止まんねぇよ…っ。


「大の大人が泣いてんじゃないよ。バカみたいだよ、バカ律」


俺の空耳だろうか。
紫苑の声が聞こえた。


「ね、本気で泣きやみよ。泣き虫でも、そんな泣かないよ」


俺は顔を上げた。
そこにあったのは、死んだはずの紫苑の姿だった。


「泣いてないで律」


俺は、無意識で紫苑に手を伸ばした。