先生は言う。
今さら薬を服用しても、完治するわけじゃない。
ただ、死を先延ばしに出来るだけだと。
…もう、手遅れだって。
俺達は絶望感を味わった。
紫苑は…。
あいつは…。
元々、自分から死を選んでたのか?
それとも、死を望んでた?
お前、死ぬことがどういうことか、わかってんのかよ。
俺との約束破るんだぜ?
指切りまでした約束を、お前から破るんのか?
…紫苑…許さない…そんなの。
絶対許さねぇ!
「どーすっかな」
絶望感を味わった俺達は、紫苑に会う気が失せた。
だから、なんとなく屋上に来てた。
お互い黙り込む。
どうしようもない壁に、たちうち出来ずにいる。
全員同様に、ため息をつくばかり。
そんな俺達を馬鹿にするように、意外な人物が現れた。
「姫が淋しがってるぜ」
「「雅さん」」
「兄貴…」