律side
弱々しい体に腕。
弱々しい声。
起き上がってるのも。
話してるのも。
辛いって、あいつ自身叫んでる。
俺は前に会ったとき感じた。
“また来る”
とか言ったくせに、三日も日にちが経った。
今日こそは、紫苑に会わないと。
そう思った俺は、病院に向かっていた。
紫苑が好きなプリンをお土産に。
病院に着いたとき。
入り口付近に立つ一人の青年。
その青年に呼び止められた。
「律先輩、しかとですか〜?」
「あぁ、伊織だったのか!ゴメン」
「人の顔忘れてるとか最悪。とりま、ちょっといいですか?」
「なんで」
「主治医が呼んでるんですよ」
渋々、伊織に着いて行くことに。
病室みたいなとこに俺と伊織は入った。
病室の独特の匂いが鼻につく。
そこには、医者と天海の姿があった。
「初めまして。私は宮古さんの主治医、永井です」
「ども」
軽く会釈をしてきたので、俺達も一応が返す。
少し微笑んでいた先生は、少しだけ世間話をして場を賑わすと、いきなり険しい顔をした。
その顔を見た俺らは、同時に息を飲んだ。
「大変申し上げ難いのですが、宮古さんは保っても…二週間か一ヶ月です」
「「は?」」
「ちょ、ちょっと待ってください!!」
天海と俺が唖然としてる中、伊織一人が声をあげた。
「先生は手術したら治るって、そう言ったじゃないですか!?」
賢い困った先生。
伊織が怒鳴り続けている矢先。
先生は真実を口にする。
「薬を服用してなかったんです」
「…それがなんですか」
「服用しなかった場合、病気は急激に悪化します。そして「最終的には…」
「お察しのとおりです」