あ〜…真面目に疲れる…。
遊園地に着いて、ジェットコースターやらなんやら乗って。
それに疲れるのと、もう一つ。
伊織の彼女、マジで〇ーラみたい…。
話しの起承転結はないわ、語尾にハートやら星やら付くし、自分で言ったことに笑うし、バカなんじゃないの…。
一緒にいて疲れる。
「紫苑大丈夫か?」
「…まぁ…、い゛っ…」
「紫苑?」
「…トイレ行ってくるっ…」
ヤバイ…また痛みが…。
建物内のトイレに行く。
持ってた薬を、お茶で流し混んだ。
薬を飲んだって、そこまでの効果はない。
ただの気休めにすぎない。
少し楽になるが、一時間経つと使い物にならない。
「病人は大人しくすればいいのに〜♪」
声がした方を見てみると、伊織の彼女。
榊なんとかが立っていた。
「…関係ない…っ」
「律…可哀相に。お姉さんみたいな病人を持っちゃって♪」
「律を呼び捨てするなっ!!」
「あ〜怖い怖い」
「あんた…何がしたい…」
「ん〜…べつに〜♪だけど、ちょっと来てもらっていい?」
私は怪しいとわかってても、何故かついて行った。
数分歩くと、遊園地内にある城の隣に来ていた。
少し薄暗いとこに。
そして、榊は私の首を掴んで力を入れた。
「が…っ」
「息出来ないでしょ?どうせなら、このまま死ねばいいじゃん!」
「くる、しいっ…」
「伊織、あたしだけを見てくれないの…なんでか分かる?」
「知ら…ないっ…」
足掻いても、もがいても、全然解けない手。
この子が興奮する程、力が入る。
女でこんな力あるの?凄すぎる…。
意識飛びそう…。
「あんたが好きだからだよ…。伊織の口からは姉さん、姉さん!!あたしのことなんて、振らないと言わないのよ!!」
「う゛っ…」
「だから、あなた死んじゃえば…あたしだけ見てくれるよね…きっと♪」
「悲しむ…っあいつは…悲しむっ…」
「あたしが傍にいればいいの…ねぇ、早くくたばってよ」
「がはっ…」
意識が…。
伊織はなんで…こんな危ないやつと…伊織のバカ…人を見る目ないんだから…。
この子悲しい子…だよね…。
自分だけ見てもらおうとするなんて。
自分だけ良ければ、それでいいの?
違うよ。
そんなの間違ってる。
同じ異性と同様に、相手されるのはさすがに嫌だけど、伊織は意識して、ちゃんと特別にしてるじゃん。
それをわからないで、自分の独占欲で相手を縛るなんて、最低な女だよ。