紫苑side



手術をしたあと、何も異常がなかったため、私は退院していた。
退院したあとは、すぐに律とデートに行ったり、伊織ん家行ったりとある意味忙しかった。
それに、休んでた分の大学の課題が大量ときた。
あの量は二日かかる。
あの先生は私をイジメたい訳か?



「ふふ。超ー大変だね」

「でも、暇つぶしにはいいよ」

「なんか、成瀬君も忙しくなったみたいだよ♪可哀相に♪」

「人の不幸を笑うなバカ」



私の面倒を見てた律は、自分の宿題やらを溜め込んでたらしい。
だから今、私と同じことになってる。
自分のことを後回しにするからいけないんだ。



「姉さん!」



錫也と話してると、どっかで聞き覚えのある声がした。
後ろを振り返って見ると、いないはずのあの子が。



「伊織君何してんの?」

「姉さんと先輩に会いにきたんです」

「なんで」

「報告があって!特別に入れてもらったんです♪」



ニヤニヤする伊織。
なんだコイツ。
超気持ち悪いよ。
でも、伊織の後ろに…女の子…?
まさかね…。



「今日、彼女が出来ましたー!!」

「「……」」



彼女ねぇ…ふ〜ん…伊織に彼女ねぇ…。
律みたいに頭悪くて、バカで、うるさいし、話し怠い奴に…彼女…。
物好きだねぇ…その彼女。
でも…やな臭い…。


「榊 真央です、よろしくお願いします♪」

「伊織のどこに惚れたの?」

「えっと…明るいとこですかね♪」

「「うるさいだけじゃん!!」」

「二人でそんなこと言うなよ!」


「「だってうるさいもんね」」



顔を見合わせて言う。
伊織に彼女って、真面目にありえないよ。
予想、二週間で別れる。
私と律みたいに、長続きしないよ〜♪
におうぞ…あっちゃいけない女のかんじ。


「よろしくです♪」

「…帰って」

「え、姉さんどうして?」

「その子、気に入らない。超頭悪そうだし、礼儀もわかってないしね」

「…ウザ…」

「年上に向かって、うざいはないんじゃない♪ねぇ榊さん」

「あ〜…帰ろっか」

やばそうだって思った伊織は、彼女を連れて帰った。
前に座ってる錫也は、私を見て笑いながら言った。



「気に入らないのは、紫苑だけじゃないみたい(笑)」

「確かにね」



私達は彼女を嘲笑うように話してた。
このあとにあることを知らず。