「ごめんね…。重いでしょ」
もたれかかってるのをやめ、元の体制に戻ろうとする。
だけど俺は、それを止める。
「いいから、無理すんな」
「ごめんね…」
申し訳なさそうな顔をして、俯く桃宮の頭をポンポンとなでる。
「雫先輩っ、大丈夫ですか!?」
ずっと黙っていた、桃宮と一緒にいた男が心配そうに、話しかける。
「黎くん、ごめんね、心配かけて…。大丈夫だよー」
力なく笑って、そう言うと男はぶんぶん顔を横にふって言った。
「なんにも謝ることないですよっ。オレこそちゃんと気づけなくてすいません」
頭をさげると、桃宮は首を横にふった。