あまりにもしんどそうだから、心配になり、桃宮のほうに足を動かす。

歩き出した瞬間、ガタッとバスが揺れた。

それと同時に、桃宮の体も傾く。
俺は急いでかけよって、桃宮の体を抱き止める。

「たくっ、無理しすぎだ…」

ボソッと呟くと、そっと顔をあげた。

「ゆーき、くん…?」
「大丈夫か?」
「ありがとう」

力なく、笑う。

なんで、お礼なんだよ。

辛いくせに、なんでもっと自分のことちゃんと考えないんだ。
額に手をやると、かなり熱い。
明らかに熱がある。
簡単に分かってしまうくらい熱い。