こういう日に限って、空いていない。

まぁ、人でギュウギュウづめ、というわくじゃないのが救いかもしれない。

「先輩マジで大丈夫です?」
「…うん、だいじょーぶ、だいじょーぶ…」

情けないくらい弱々しい声しかでない。

やばいなぁ、ほんとに…。

そう思った瞬間、バスがガタッと揺れた。

やばい…。
力が、入んない。

体制を保とうするものの、限界がきたかのようにぐらりと体が前に倒れた。

なのに、床に倒れた衝撃が…ない。