いつもより、ゆっくり帰る準備をして、教室をでる。

たまにふらつきながらも、門まで歩く。

門の近くまで行くと、黎くんが気づいて手をふってくる。

「雫せんぱ~いっ」

タッタッと走ってくると、心配そうな顔をしながら、喋りだす。

「大丈夫ですか?」
「ん、なんで?」
「紫穂先輩から、雫先輩具合悪いっぽいって、メールきたんで」

黎くんはたまに、お昼休みにあたしたちのとこに来て、一緒にご飯を食べることがある。

紫穂ちゃんと黎くんはけっこう仲がいい。

「大丈夫だよっ。たぶんただの寝不足」