黎くんが風邪引いちゃ、いけないからついた嘘。

「タオル使っちゃいましたよ…」

騙されたとガクッと肩を落とす。

「雫先輩、風邪ひきますよ」
「大丈夫、大丈夫。こんくらいで、あたしは風邪ひかないって!」

制服をふき終わり、バス内をみる。

でも、結城くんはいない。

いないとわかって、すぐに黎くんをみて、話始める。


気づけばよかったんだ。

ううん、気づきたかった…。

結城くんに。

なんであたしは、気づけなかったんだろう―。