♪雫SIDE♪
ひどい雨。
あたしも黎くんも、傘がなくバスまでひたすら走る。
バスに乗ると、バスの中はそんなに人はいなく、空いていた。
「雫先輩大丈夫ですか?」
「ハハ、大丈夫大丈夫」
カバンを探って、タオルを出し黎くんに渡す。
「や、いいです。先輩使ってください」
「いーよ、あたしまだ持ってるし」
「…ありがとうございます」
しぶしぶタオルを受けとると、髪をワサワサとふく。
あたしはハンカチを出して、制服をふく。
「あぁっ、やっぱ先輩持ってないじゃないですかっ」
「アハハ、ごめんごめんっ」
タオル持ってるなんて、嘘。