ハンカチでふくと、バス内をキョロキョロする。 それから、少し残念そうな顔をして一緒にいる男に顔をむける。 俺は少し離れたところから、降りる桃宮を見ていた。 桃宮は俺に気づくことはなかった。 バスを降りてから、家に向かう途中、ずっと考えている。 あの男は誰だ? 彼氏か、好きなやつか。 いろんな考えが、頭の中で浮かび上がる。 ただの友達かもしれない。 そう思っても… 嫌な考えばかりが浮かんでくる。