会いたいと思ってしまう。
自分で考えてて、恥ずかしくなる。

そんなことを思っていると、桜ノ学園の生徒が2人乗り込んでくる。

「雫先輩大丈夫ですか?」
「ハハ、大丈夫大丈夫」

雨で濡れてないか、ということを言っているらしい。

そんなことよりも俺は、違うことに反応していた。

雫、と言った。

今、会いたいと想っているやつの名前。

もしかしたらと、足を動かす。
視界に入るのは、男と

桃宮――。


桃宮はタオルを男に渡し、自分はハンカチでふく。

自分より相手のことを考える。

優しいやつだ。