入学式であり、始業式であったあの日。

本当は紫穂ちゃんと遊ぶ約束だった。

だけど、バスケ部が入学式の片付けということになった。

紫穂ちゃんはバスケ部。長引くかもということで、約束は延期になった。

結局あたしは何も用事がなくて、帰る準備を終え、門を出ると少し離れたところに、朝の男の子がいた。

「あ、きた!」

タッタッと駆け寄ってくる。

正直、逃げたかった。

またいきなり、びっくりすることを言われるんじゃないかって思ったから。

「さっきはいきなり、すいませんでしたっ」

いきなり、頭を下げる。

今日はいったい、何回この子に頭を下げられるんだろう…。