視線で、話せって言われてるみたい。

「あの…」
「ん?」

あの時、機嫌が悪かったわけじゃない。ただ、もやもやしてただけ。

「教室で一緒に踊ってた子」
「…あぁ」

軽く息を吸って、口を開く。

「あの子のこと、好き…なの?」

そう聞いた瞬間、驚いたみたいで少し目を見開いた。

「なんで?」
「え、あ、その…」

少しためらいながら、聞く。

「すごく…みたことない優しい顔で、笑ってたから…」

そう言うと、ふっと笑って

「ただの、幼なじみだよ」

幼なじみ…だったんだ。

「んで、みたことない顔だったのは」

じーっと、見ながら言葉を待つ。