「踊るか?」
「え?」
「ダンス」
手を差しのべてくる。
踊るって言うのは、きっとフォークダンスのこと。
「…」
「どーする?」
踊って、くれるの?あたしと?あたしでいいの?
あたしは立ち上がって
「踊る!」
そう言うと、ふっと笑って
「行くか」
「うんっ」
歩いていると、気づく。
「結城くん…」
ん?とこっちを向く。
その姿を見て、あたしはクスクス笑う。
「なんだ?」
「…っ、その格好で踊るの?」
「……げっ」
今気づいたらしく、自分の格好をみる。
結城くんは、そのまま来たのか王子様の格好のままきたらしい。
「どーすっかな…」
考えている結城くんをみてると、何かをひらめいたように、こっちを向いた。
「いくぞっ」
あたしの手首をひいて、走り出す。