笑ってたんだ、お姫さま役のすっごく綺麗な女の子に。同い年のはずなのに、すっごく大人っぽくて…、子供っぽいあたしとは正反対な女の子に。
あんなに優しい顔見たことない…。
実際、見たことなくったって可笑しくない。
まだ、出会って数ヶ月で、付き合ってるわけてもないのに、結城くんのすべてを知っているはずがない…。
わかってるのに…。わかってたはずなに…。
しょうがないって――。
なのに、頭は嫌なことばかり考える。
あの子が結城くんの好きな子?それとも、彼女さん?
彼女さんがいるのに、毎朝あたしとバスでおしゃべりするはずがない。
少しは、特別なんじゃないかって、思ってた。
毎朝、おしゃべりして、バスの中ではいつも隣にいて…。