はぁとため息をついていると、実行委員が控え室に入ってくる。

「結城くーん、準備できた?」
「…あぁ」
「んじゃ、よろしく♪」

そう言い残して、去っていく。

「ホラホラ、さっさといってらっしゃーい♪」
「はいはい」
「薫!笑顔、笑顔!!」
「おー」

ヒラヒラと海斗に手を振って、飾り付けされた教室に向かう。

「でわでわ、プリンス様の登場でーす!!」

クラスメイトがそう言うと、ふぅっと息をはいて、教室に入る。

入ったとたんに起こった、歓声。

「皆様、心置きなくお楽しみください」

執事が言葉を合図に、文化祭がスタートする。

「皆様、私と甘い一時を過ごしましょう」