「ほんと!?助かるわぁ。じゃあ、主役のプリンス役は結城くんってことでっ」
「お、おい…」
「だってさ、頑張れよ。薫プリンスっ♪」
「…」
俺はギロっと海斗を睨み、席につく。
はぁ、もうどうにでもなれ。てか、俺は知らねぇ…。
次の日――。
「へぇ、プリンス喫茶?おもしろそうっ!!」
朝、バスの中。俺は昨日の文化祭のことを、桃宮に話していた。
桃宮の反応は予想通り。いつもどんな話でも楽しそうに、真剣に聞いてくれる。
「全然よくねーよ」
「どうして?」
「…」
「なに?気になるじゃない」
ニコニコしながら聞いてくる。
「主役、やることになったんだよ」
「え、ほんとに!?」
「あぁ。海斗のせーでな」
「なるほどねぇ…」
苦笑いしながら、納得しおかしなことを口にした。