夜――。
あたしは結城くんへのメールを打っていた。
【こんばんわ、結城くん。朝のことだけど、行く友達きまったよ^^結城くんはどうですか? 】
結城くんとメールするのが、初めてなわけじゃない。だけど、やっぱり緊張してしまう。
文を何度も読んで、送信ボタンを押そうとするが指がプルプルと震える。
押そう押そうとして、早5分。
あたしは、意を決して
「おりゃっ」
と、送信ボタンを押した。
「…押せたぁ」
ふーっと息を吐く。
好きな人にメールを送ることって、大変だなぁ。っと結城くんにメールを送るたびに思う。
~♪
毎回毎回おんなじことを、思っているとメールがくる。
バッと携帯をみると、相手は結城くん。
メールを見るときは、早く見たいとは裏腹に送信するときと同じで、指が震える。
また、ふーっと息を吐いて受信ボックスを開く。
【俺も決まった。どこ行きたいか考えとけ】
結城くんはいつもシンプルなメールで、それさえもがかっこよく見える。こういうとき、ほんとに好きなんだなぁ、と心底思う。
てゆうか、どこ行きたいって言われてもなぁ…。
【どこでもいいよ♪ 結城くんに任せます(*^▽^*)】
緊張はするけど、2度目からは指が震えることなく、送信ボタンを押すことができる。結城くんとメールをしている最中は、ふーっと息を吐くのはもう癖になってる気がする。