そして、お昼休み――。
「へぇ、デートにねぇ」
「デートじゃないよ、友達誘えって言われたもん」
「デートは、デートよ」
「はい…」
紫穂ちゃんに断言されると、違うといえなくなってしまう。顔を机に突っ伏して、どうしようと唸っていると
「雫、友達誘ってこい、って言われたのよね?」
「うん…」
「一緒に行ってあげるから、そんなに考え込まないの」
「え…」
付いてきて、と頼むつもりだったけどまさか紫穂ちゃんのほうから言ってくれると思わなくて、驚いてしまった。
「いいの?」
「うん」
「うぁ、ありがとー!」
そう言って笑うと、紫穂ちゃんも笑ってポンポンと頭を撫でてくれた。
「その、結城くんってカッコいいのよね?」
「うん!」
「じゃ、その友達も絶対カッコいいわね」
キラーンと紫穂ちゃんの目が光った気がした。てゆうか…
「目的それなの?」
「ん?もちろん雫のことのほうが大事だけどね」
そう言う紫穂ちゃんの顔は優しくて、ほんとに思ってくれてるんだって、すごく嬉しくなった。