♪雫SIDE♪
「毎朝、このバスで会わねぇ?」
……はぃ?
今、なんて言った?
会う?バスで?毎朝?
そんな夢みたいなことがある?
冷静に頭の中で考えてはいるけど、頭の中とは裏腹にあたしはかなりテンパっていた。
「え、あ、そ、そんなことでいいんですか!?」
「だめなの?」
「ぜ、全然オッケーです!!」
「そか」と彼は、結城くんは微笑んだ。
…やばい。ドキドキしすぎて、おかしくなりそう。心臓が壊れそうだ。
『桜ノ学園前、桜ノ学園前』
アナウンスが流れる。
もうちょっと、話していたかった…。
そんなことを思いながら、ステップを降りようとすると
「桃宮」
あたしはバッと結城くんをみると、彼は笑っていて…
「また明日」
その一言が、嬉しくて嬉しくて。
あたしは
「また明日!」
とびっきりの笑顔でそう言った。
バスを降り、振り返ると彼はまた、微笑んでいた。バスが出発してするのを見送るとあたしは校門に向かう。