「その人へのお礼、何にすんの?」
「え?」

いきなりの質問で、ポカンとしてしまった。

「お礼するんでしょ?何にすんのよ?」
「…あ」

全く考えていなかった。
そもそも、お礼なんて言ったけどアレはとっさに出た言葉だ。特に何も考えていない。

「…ど、どうしよう」
「んー、デートにでも誘っちゃえば?」
「む、むり。ムリムリムリ!!」

それこそ、ホントにナンパだよ…。それに、いきなりなんだコイツ、見たいになっちゃうよ。
「ま、でも。明日バスで会うんだったら、明日その人と決めるってのもありかもね」
「そうだね」


明日、彼はあたしが考えてもいなかったことを、お礼と言った――。