「俺も、嬉しかったんだよ…」
結城くんが嬉しくなるとこなんて、1つもないはずなのに、そう思って顔をあげると優しく微笑む結城くんがいた。
「話聞いてくれて、泣いてくれて」
“泣いて”というところに、恥ずかしくなる。
みっともないくらい、泣いたから。
「今まで、海斗と麻希に話したけど、お前みたいに誰も泣かなかった」
「…」
「なんか、勝手な俺の考えだったけど、俺のこと思って泣いてくれてんだ、って思ったら嬉しくなった。お前は、優しいよな」
「…」
「だから、ありがとう」
お礼の言葉に、あたしの目からまた涙が溢れだす。
「また泣く…」
「だってぇ…っ」
泣き出すあたしを見て、呆れたように言った。
