1人でいることは、何度もあった。
寂しくなることもあった。

でも、愛されてないと思ったことなんて、1度もない。

でも、結城くんは、きっと、あたしとは逆なんだ…。

家族3人で過ごしていたら、暖かい感じのお家だったのかな?

「…だから、この家には誰もいない」
「…」

なんて言えばいいのかな?

どうしたら、辛そうな顔を柔らかい笑顔に変えられるのかな?

あたしに、今、なにができるのかな?


ぐるぐると頭の中で考えていると、結城くんが顔をあたしに向けた。

あたしは俯きもせず、ただ、結城くんを見ていた。

だから、あたしの顔をみた瞬間、何故か結城くんは固まった。