♪雫SIDE♪

『明日このバスな』

まるで夢みたいだ。

昨日彼に恋をして。
今日偶然に彼と話をして。
明日話す、いや会う約束のようなことをして。

もう、幸せすぎる…。


ビシッ

「いったぁー!」
「ボーッとしすぎ」
「ご、ごめんなさい…」

現在、お昼休み。

紫穂ちゃんと一緒にお昼ご飯食べてます。

なんで痛いかっていうと、今朝の、いや、彼のことを思い出してボーッとしていたから、紫穂ちゃんにデコピンされたのだ。

「そんなに、ボーッとしてるから、授業中も怒られんのよ」
「う…」

そう、午前中の授業でボーッとしすぎて、全ての授業で先生に注意された。

「んで?」
「…んで、とは?」
「朝、バスで何かあったんでしょ?」
「ぅ、うん」

ホントは朝、紫穂ちゃんに何度も聞かれたけど、あたしは突然のことすぎて話せる状態じゃなかった。だから今にいたる。

「じっくり、話してもらうわよ」
「はい…」

あたしは今朝のことを、洗いざらい紫穂ちゃんに話した。