ウキウキと学校に行く準備をすると、コンコンと部屋のドアをノックされた。

「どーぞ」
「熱下がったか?」
「うん♪」

入ってきたのは、お兄ちゃん。
お母さんはもう仕事に言った。

「何℃?」
「36.3℃」
「ちょっと、たけぇな」
「大丈夫だよっ」

少し心配そうに、あたしを見る。

こういうとき、お兄ちゃんはすごく優しい。

普段は意地悪だけど…。

ほんとはすごく優しいんだよね。


「具合悪くなったら、保健室行けよ~」
「うん♪いってきまーすっ」

玄関を出て、バス停に向かう。

本当だったら昨日結城くんに会えたのに、会えなかったから楽しみで仕方ない。