「んで、お前の家どっち?」
「あっち、です」

指を指すと、歩きだす。手首は掴んだまま…。

やばい。熱が、手首に集中してる。

結城くんが掴んでいる手首が、妙に熱い。


家には、けっこうあっという間に着いた。

家に向かう途中、道を言うだけでほとんど会話はなかった。

でも、気まずいとかじゃなくて…。

心地いい、時間だった。

そうにもかかわらず、あたしの体調は悪化していて、今はフラフラ状態だ。