「結城くんどーするの?」
「どーすんのって…。つーか、まだバスあるし。それに、お前ほっとくわけにはいかねーだろ」

またポンポンと頭をなでる。

とても優しい顔でそう言うけれど、申し訳なくて俯いていると「病人が気にすんな」と言う。

結城くんは優しすぎる。

だからあたしは、その優しさに甘えてしまう…。

「あれ、そういえば黎くんは?」

思い出したかのように言うと、少し不機嫌そうな顔になる。

「もう、降りた」
「そっか。お礼言わなきゃな…」

ボソッと呟くと、不機嫌そうな顔のまま聞いてくる。