♪雫SIDE♪
あたしは昨日と違って、早く起きた。
彼に会いたくて。ただそれだけで、目が覚めてしまったのだ。
「おっはよ~♪」
学校に行く準備満タンで、リビングに元気よく入ると、
「…」
返事なし。
お母さんも、お兄ちゃんも固まっている。
「おはよう!!」
「あぁ、おはよう」
やっとお母さんが挨拶してくれたけど。
「お兄ちゃん?」
「今日は何がおこるんだろうな」
「どういう意味よ」
相変わらず口が悪い。
「おはよう、お父さん」
いつもと同じ朝なのに、今日だけは違う。ウキウキしている。
「今日も雨だぞ」
「うん♪」
お兄ちゃんが、怪訝な顔をしてあたしを見てくる。
「なに…」
「熱ないか?」
「ないっ!」
そんなふうに、朝をすごしバスに余裕で間に合う時間に家をでる。
「いってきま~す♪」
「いってらっしゃい」