「っーーーうわぁぁぁ!」

突然、吉野は頭を押さえて叫んだ


「吉野!?」

突然の出来事に、柚歌と海は驚きながらも吉野に駆け寄る
そんな光景を見て、老人はニヤリと笑った


「吉野…どうしたの!?」

「っ…ぅ…。」

苦しそうな表情を浮かべて
吉野はその場に崩れ落ちる

海は吉野から視線を反らし、崖の上にいる二人に鋭い視線を向けた


「お前ら…コイツに何をしやがった…!」


怒りが籠るいつもより低い声
しかし老人は焦ること無く、首を傾げた


「別に何もしておらんよ。ただ、奴の心に眠っておった記憶の鎖を繋げただけじゃ。」


「何…!?」

記憶の、鎖?

一瞬の隙
海の目の前には…さっきまで老人の隣にいた少年の姿があった


「っ!」向けられている剣
咄嗟に海は氷で剣を作り、それを受け止めた

が、衝撃を抑えきれずに海はそのまま後ろの壁まで吹き飛ばされる