一学期最終日。


楽しそうに夏休みの計画を立てる生徒たちを横目に、千奈里と話し合っていた。


「でも椎名さんさぁ、
すごい人気だよね。」


「そうなの?」


あの呼び出しから、一週間が経っていた。


「ファンクラブもとい、親衛隊、できてるもん。」


「親衛隊!?」


何それ。


まるでアイドル。


いや、


今時アイドルにも、親衛隊なんていないんじゃないの?


「ほら。」


千奈里が指差した廊下に、
椎名胡桃と、
『胡桃様命』という
嘘みたいなはちまきを巻いた集団が。


「うっわ…」


正直

少し

いや

かなり

気持ち悪い…