女がおもむろに口を開いた。

「翔って呼ぶわ。あたしは凜でいいから。」

「お、おう。」

「修学旅行って事は、二年生?だったたらあたしよか年下だわ」

こいつ年上かよ…
髪は茶髪だし、ピアスもちらほら。
もしや不良?
普通に見たらえらい美人だな。

「そうすか。だったら凛さんですね」

「はは、凜でいいって言ったじゃん」

「じゃあ遠慮なく。凜は不良?」

「あたしが?はははっ!そう見える?」

初めて笑った。
出会ったばかりなのにドキっとした。

「そんな格好じゃ見えるかと…」

遠まわしになってしまった。

数分歩くと、一軒の店の前で止まった。