おばあちゃんは、

「体に気を付けて頑張りんさいねー」

と、元気良く帰っていった。
別に、いいけどさ、孫が離れて暮らすようになるってゆーのに、そんなあっさり・・・

「はるちゃん、私もそんな若くはないけど、家のことくらいはまだまだできるから、遠慮しなくていいからね。」

やっぱ、希条さんは優しいかった。
おばぁちゃんとはなかがいいとしても、初めて会ったんだから、希条さんに逆に変な気を使わせてしまっているんじゃないかと思った。

「でも、お世話になるんですし、少しくらいお手伝いを・・・」

そう言うあたしを希条さんは制した。

「高校生になるのよ。忙しいんだから。それに、部屋の荷物、まだ片付けてないでしょ?」

「はい、でも・・・」

「私のことは、もう一人のおばあちゃんだと思って、ね?敬語もやめてよ。いつまでも他人みたいじゃない?」

そう、希条さんは、笑顔で言った。
―ほんとに、優しそうな人でよかった・・・
って、まんまと希条さんペースに乗せられてない?

「ま、突然敬語やめてって言われても無理かもしれないけどね」

ま、いっか…正直本当に良いのか…?とか思ったけど、

フフフと希条さんは笑って、「今日のご飯、何がいい?」と聞いてきた。

「なんでもいいです」

と答えると、「そういうと思ったわーwwwwじゃぁ、買い物に行ってくるわね♫ごめんだけど、留守番よろしく♫今日はごちそうつくっちゃうわよ~♫」

と、♫を語尾につけながら、上機嫌で出かけていった。
そんな上機嫌な希条さんを見てると、これで今は良いか